Laravel(ララベル)は、PHPのWEBアプリケーション・フレームワークです。近年ではCakePHPに迫る勢いで注目が集まっています。 今回はWindows10上に開発環境を構築し、ブラウザでスタートページを表示するところまでを解説します。利用するのは、Laravelが公開しているVagrant BOXのHomestead(ホームステード)です。仮想マシーンに開発環境を構築します。
前準備 必要なツール類
あらかじめ、VagrantとGitを準備してください。
- Vagrant(ベイグラント)
- Git
開発環境の構築
作業の順番は、仮想マシーンの構築。次に、仮想マシーン上にLaravelのプロジェクトを作ります。
- Homestead リポジトリのクローン
- 設定を修正、確認する
- Vagrant BOX を実行する
- 仮想環境にLaravelをインストールする(プロジェクトの作成)
- ブラウザで確認する
Homestead リポジトリのクローン
クローンを作成するフォルダを用意します。ホームディレクトリにMyLaravelを作ります。
ホームディレクトリ(~)/(windowsでは”~”を"c:\Users\(ユーザ名)に置き換えてください ├ MyLaravel/
Git Bashを起動して操作します。Git cloneを実行します。
cd ~/MyLaravel git clone https://github.com/laravel/homestead.git Homestead ※Homestead クローンを作成するディレクトリ (クローン後) ホームディレクトリ(~)/(windowsでは通常"c:\Users\(ユーザ名) ├ MyLaravel/ └ Homestead/
(実際の操作イメージ) 次に、bashコマンドを実行してHomestead.yaml を作成します。
cd Homestead bash init.sh コマンド実行後に、"~\.homestead"ディレクトリができます。 Homestead.yamlは、.homesteadの下にあります。 ホームディレクトリ(~)/(windowsでは通常"c:\Users\(ユーザ名) ├ MyLaravel/ │ └ Homestead/ │ └ .homestead/
設定を修正、確認する
プロバイダーを設定する
Vagrantは、VirtualBoxまたは、VMWareと組み合わせて使います。組み合わせによってproviderの値を設定します。ここでは、VirtualBoxですのでvirtualboxを設定します。
provider: virtualbox
VMWareと組み合わせた場合は、vmware_fusionまたは、vmware_workstationです。
SSHキーを設定する
公開SSHキーへのパスを設定します。 SSHについてはこちらが参考になると思います。
Git Bash上で次のコマンドを使います。you@homesteadは、ご自身のメールアドレスに置き換えてください。問題がなければそのままでもいいです。コマンド実行後にホームディレクトリに、.sshが生成されます。ssh-keygen -t rsa -C "you@homestead" ホームディレクトリ(~)/(windowsでは通常"c:\Users\(ユーザ名) ├ MyLaravel/ └ .ssh/
Homestead.yamlのauthorizeを確認します。
authorize: ~/.ssh/id_rsa.pub
共有フォルダーを設定する
ローカルマシン(Windows)と、仮想マシーンとの共有フォルダを設定します。任意の数を作れます。MyLaravelの下にCodeフォルダを作成して関連付けます。
ホームディレクトリ(~)/(windowsでは通常"c:\Users\(ユーザ名) ├ MyLaravel/ ├ Homestead/ └ Code/
mapは、ローカルマシン、toは関連付ける仮想マシーンのフォルダです。 folders: - map: ~/MyLaravel/Code to: /home/vagrant/Code
Nginxサイトを設定する
Homestead上のフォルダーと「ドメイン」を関連付けます。http://homestead.app でアクセス可能にします。
sites: - map: homestead.app to: /home/vagrant/Code/Laravel/public
hostsファイルにアドレスを追加する
hostsファイルにhomestead.appとIPアドレスの関連付けを追加します。
192.168.10.10 homestead.app
192.168.10.10は、Homestead.yamlのipで設定しているアドレスです。
Vagrant BOX を実行する
Homestead.yamlの修正後に、Homesteadディレクトリへ移動します。 vagrant upコマンドを実行します。完了まで環境によっては10分前後が必要です。
vagrant up
コマンド完了後にBOXが生成されているか確認します。Vagrant Box listの中にlaravel/homestead があれば成功です。
vagrant Box list
vagrant status 次の一行があれば立ち上がっています。 default running (virtualbox)
仮想環境にLaravelをインストールする(プロジェクトの作成)
仮想マシーンに接続します。git bash上で、vagrant sshを使います。 使い慣れた端末エミュレータ(PuTTYなど)を使ってもいいです。デフォルトのログインIDとパスワードは共にvagrantです。 Codeに移動します。
cd Code
プロジェクト名Laravelでフレームワークをインストールします。composerを使います。 完了まで数分必要です。
composer create-project laravel/laravel Laravel --prefer-dist
※composer create-project laravel/laravel プロジェクト名 –prefer-dist コマンド、ディレクトリ名など大文字小文字を区別していますので注意してください。ComposerだとCが大文字なのでエラーになります。
ブラウザで確認する
http://homestead.app にアクセスします。次のページが表示されていれば正常です。 お疲れ様でした。
最後に
Laravelの雰囲気は感じられたでしょうか。これから増々勢いを増していくフレームワークです。仮想マシーン上であれば気軽に使えますので楽しんでいじって頂ければと思います。 次回は初級チュートリアルを解説する予定です。
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